痛みの種類 3か月以上続く痛みを慢性痛と言います。
痛みには、急性痛と慢性痛に分けられます。感じる痛みは同じでも、治療介入の仕方は全く異なります。最初の診断がとても重要となります。
時間経過とともに複雑に成因が絡み合う慢性痛は、国際疾病分類ICD-11に正式に病名として分類されることになりました。
原発性慢性痛
1 / 原発性慢性痛とは
重大な情動的障害(不安、怒り/挫折または抑うつ)や機能的な障害(日常生活を送るのに支障があるような、または社会的役割への関りを制限された状態)によって特徴づけられた、一つまたは一つ以上の解剖学的部位の慢性の痛みのことを言います。原発性慢性痛は、複数の原因からなるものであり、心理学的社会学的要因が、痛みの症状をもたらしています。
2 / 診断は
その診断の条件は
1. 痛みによって情動的感情的問題が生じている。
2. 日々の生活や社会参加が痛みにより障害を受けている。
3. 他の診断によって、うまく説明できない痛み。
*がん関連痛、術後外傷後痛、神経障害性疼痛、頭部口腔顔面痛、内臓痛、筋骨格系疼痛といった慢性痛は、原発性慢性痛の診断にはなりません。
3 / 治療目標は
痛みがもたらしている苦悩や障害の減弱です。
二次性慢性痛
1 / 筋骨格系疼痛
骨、関節、筋、椎骨、腱や軟部組織から起こる痛み。局所的または全身系統的に説明がつき、それらは特に体制感覚との結びつきが強いものです。
2 / 術後痛&外傷後痛
手術や外傷を負った3か月後も継続してまだ痛みが続いている状態。感染やガン再発、以前に存在していた痛みでは説明できない痛み。
3 / 神経障害性疼痛
病巣や病気により体性感覚神経が障害された原因によるもの。原因としては、脳卒中、外傷、糖尿病、解剖学的に損傷を受けた場合など
4 / 頭痛、口腔顔面痛
3か月間で半分以上の日で痛みが続いている状態を言い、少なくとも2時間以上痛みが続くものをいう。その原因は様々で、原発性と二次性を分けるのはしばしば困難である。
5/ がん性痛、がん関連痛
がんそのものによってもたらされる痛みや治療によって引き起こされた痛みを指す。
6/ 内臓痛
頭、首、胸部腹部骨盤部などの体の内部の臓器からくる、持続または反復性のある痛みを指す。特定の解剖学的部位から波及されていることが明らかであり、関連する病気や障害が示されているもの。